映画「国宝」は傑作か?問題作か?3時間で観る壮大な人間ドラマ

🎥映画『国宝』とは?

  • 原作:吉田修一の同名長編小説(全800ページを越える力作)
  • 監督:李相日(『悪人』『怒り』に続く吉田修一作品3作目)  
  • 脚本:奥寺佐渡子
  • 出演:吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜ら豪華布陣  
  • 上映時間:175分(約3時間)  
  • カンヌ映画祭「監督週間」選出  

🧭 あらすじ & 世界観

任侠一家の息子・喜久雄(吉沢亮)は15歳で父を抗争で失い、梨園の名門・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られる。やがて代役抜擢を契機に、ライバルの御曹司・俊介(横浜流星)と共に歌舞伎の道へ進み、人間国宝にまで上り詰める—。芸と血、生と宿命、壮大かつ濃密な人間ドラマが多世代にわたって描かれます 

🌟 見どころポイント

映像と脚本の融合
小説800ページ超を約3時間に圧縮しつつ、奥寺佐渡子の脚本と李相日の演出が巧みに物語の深みを演出。「映画的省略」によって、観客の想像力に委ねる余白も残されています  。

歌舞伎の場面描写とカメラワーク
劇中の舞台「関の扉」「曽根崎心中」などが臨場感ある映像に昇華され、顔のアップなどで俳優たちの表情が際立つと評判です  。

俳優陣の熱演
吉沢亮・横浜流星は1年半の稽古を積んで歌舞伎の所作に挑戦し、その努力と美しさが高く評価されています  。渡辺謙、田中泯らの重厚な演技も光ります 。

🏆 興行&受賞トレンド

初週3位、公開3週目には興行収入で1位に浮上(累計21億円突破) 

カンヌ映画祭監督週間での選出により、国際的な注目度も上昇 。

💡 観賞のススメ&ターゲット層

濃厚なヒューマンドラマを求める方:175分の尺に耐えられる忍耐と情熱があれば、深い没入感と満足度が待っています。

歌舞伎や伝統芸能に興味がある方:舞台セットや仕草など、歌舞伎の美意識を鮮やかに体感できます。

演技と映像表現重視の視聴者:アップの表現、演技の繊細さなど、役者たちの技量をじっくり味わえる意欲作。

✅ おすすめ観賞スタイル

原作未読の方へ → 長編小説が原作なので、観終えたならぜひ原作を手に取り、“省略された部分”を補完してみるのも一興です。

余韻を大切に → エンドロールもぜひ最後まで。スタッフクレジットとともに余韻をじっくり浸るのがおすすめ。

歌舞伎初心者 → 事前に簡単な上方歌舞伎の解説を読むと、劇中の演目や所作により感情移入しやすくなります。

原作小説「国宝」との違いは?

📘 原作小説『国宝』とは?

  • 著者: 吉田修一(『悪人』『怒り』など)
  • 刊行: 2017年
  • ボリューム: 上下巻、計約850ページ
  • 受賞: 芸術選奨文部科学大臣賞
  • 内容:
    戦後の日本を舞台に、歌舞伎の世界で人間国宝となった男の半生を、血脈、芸、生の宿命とともに描く大河小説。

原作は時間も視点も多層的で、歌舞伎の所作や心理描写が圧倒的な細やかさです。

🎬 映画『国宝』とは?

  • 監督: 李相日(『悪人』『怒り』)
  • 脚本: 奥寺佐渡子
  • 出演: 吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、高畑充希ほか
  • 上映時間: 175分
  • 特徴:
    主人公・喜久雄の視点に絞り、芸と生のドラマを映像美で表現。
    カンヌ映画祭「監督週間」にも選出された意欲作。



🧭 ストーリー構成の違い

比較ポイント原作小説映画
時間軸幼少期から晩年まで、50年に及ぶ人生を詳細に描く主に青年期~人間国宝になる頃までを集中的に描写
視点主人公だけでなく、養父、ライバル、周囲の人物の視点を交錯喜久雄の視点を中心に一貫
描写内面の独白や心情描写が緻密表情と映像で語る演出が中心
テーマの深度芸・血・宿命・歴史を重層的に描くドラマ性と芸の戦いにフォーカス

原作は壮大な歴史文学、映画はダイナミックな芸の叙事詩。尺の制約もあり、映画は「人物像の凝縮と物語の焦点化」に振り切っています。

✍️ まとめ

長編を見事に映画化したスケール感、歌舞伎の奥深さを映像に昇華した美しさ、そして俳優陣の魂のこもった演技。すべてに妥協を許さない、“芸との格闘劇”として胸に響く作品です。

一方で、ストーリー展開を重視する方には少々「贅沢すぎる」部分もあるかもしれません。しかし、やはり映画館という“場”で観てこそ、その空気感を全身で味わえる傑作です🎞️


引用:https://kokuhou-movie.com/

eiga.com

prtimes.jp

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です